日帰り 関西空港⇔那覇空港~辺戸岬(奄美の手形)

ふらっと旅

奄美大島、一度は訪ねてみたい場所ですよね。黒糖焼酎を飲みながら郷土料理の奄美鶏飯を頂くなんて最高です。

その「奄美」の手形が欲しくて例のごとく地図や航空路線を見比べながら格安で手に入れる方法を模索しました。

ありました!! 少し目線を変えて奄美大島以外でも「奄美」手形を手に入れることが出来る場所。同じ鹿児島県の与論島です!!

あれ?「与論島なんかに日帰りで行ったら、奄美大島以上にお金がかかるじゃん!」と思われた方、正解です。その通りです。笑  どうするか、更に目線を変えるんです。与論島では「奄美」の電波が入るので、与論島に一番近い日帰りで格安で行ける場所を探せばいいんです!! そう、沖縄です!!笑

地図を見てみて下さい。沖縄本島の北端と与論島の距離を。晴れていれば肉眼でも見える距離です。沖縄に格安で日帰りとなれば、いつもお世話になっているPeachです。

関空第2ターミナルから朝一番の飛行機で那覇に向かいます。那覇でも離発着は少し離れたLCCターミナル(ANAが使っている那覇空港貨物ターミナル内の一部を旅客用に改装…つまり倉庫)のため、到着後は無料シャトルバスで国内線ターミナルまで移動しなくてはなりません。

レンタカー屋さんに空港まで迎えに来てもらい、手続きが終わったら、いざ出発です。那覇ICから沖縄自動車道に乗ります。「城」と書いて「ぐすく」って読むんだぁ~などと思いながらアクセルを踏み続けます。終点の許田ICまで高速を使ったら、そこから沖縄本島最北端の辺戸岬までは国道58号で気ままにドライブです。

辺戸岬、「へどみさき」と読みます。あまり気持ちよく聞こえない読み方ですが景色は抜群でした。駐車場から海の見える断崖までは歩いて散策できるくらいの距離があります。結構な数の観光客が海を見に来られていました。

私は景色というよりも今回は「奄美」の手形を手に入れるという最大の目的があるので、一目散に与論島の見える沖縄最北端の岩場まで歩を進めました。下の写真を見て下さい。遠くに与論島が見えます。こんな場所に鹿児島県が・・・という瞬間でした。

見えますか?うっすらと見える与論島が。いよいよ手形取得の儀式に入ります。笑 ポチッ! あれ?「沖縄/名護」の電波しか受信できない・・・。岩場を背にして壁を作り、敢えて「沖縄/名護」の電波を遮って、「奄美」の電波が交じり込むのを待ちます。全然ダメです・・・。時間帯によって電波の強度が違うとの情報を「しろつく」の先輩方から頂いていたので、少し時間を空けてみることにしました。

その間に辺戸岬から内陸部を見てみると何やら巨大な鳥のオブジェが森の中に姿を見せています。とにかく行ってみることに! 細い道、急な坂道、ここで命を落としてもしばらく発見されないんだろうな・・・というような道を進んでたどり着きました。

これです!「ヤンバルクイナ展望台」。それぞれ前からと後ろからの写真です。展望台は無料で後ろから入ります。写真では分かりにくいですが3階建てなのでかなりの大きさです。お土産物屋も無く、ここまで来て何か得したかと言われれば何もないのですが、とにかく時間を潰せました。笑

もう一度、辺戸岬まで戻り今回最大のミッションにチャレンジ。何度も何度も。笑 かれこれ30分ほど「ポチッ」を繰り返していました。幸運とは突然やって来るものですね。何の前触れもなく突如「奄美」の電波をキャッチ!!! ついに「奄美」の手形をget出来ました。 

レンタカーを返した後は国際通りでちょっとだけお酒を。ミッションをクリアした後のオリオンビールや泡盛はサイコーでした。

でも、実は今回の旅の途中、一番ココロを揺さぶられたのは手形を手に入れた瞬間ではありませんでした。それは辺戸岬にあるこの碑を見たときでした。

祖国復帰闘争碑

全国の そして世界の友人へ贈る

吹き渡る風の音に 耳を傾けよ
権力に抗し 復帰をなしとげた 大衆の乾杯の声だ
打ち寄せる 波濤の響きを聞け
戦争を拒み 平和と人間解放を闘う大衆の雄叫びだ
 鉄の暴風やみ 平和の訪れを信じた沖縄県民は
 米軍占領に引き続き 一九五二年四月二十八日
 サンフランシスコ「平和」条約第三条により
 屈辱的な米国支配の鉄鎖に繋がれた
米国支配は傲慢で 県民の自由と人権を蹂躙した
祖国日本は海の彼方に遠く 沖縄県民の声はむなしく消えた
われわれの闘いは 蟷螂の斧に擬せられた
 しかし独立と平和を願う世界の人々との連帯であることを信じ
 全国民に呼びかけ 全世界の人々に訴えた
見よ 平和にたたずまう宜名真の里から
二十七度線を断つ小舟は船出し
舷々合い寄り 勝利を誓う大海上大会に発展したのだ
 今踏まれている土こそ
 辺戸区民の真心によって成る沖天の大焚火の大地なのだ
一九七二年五月十五日 沖縄の祖国復帰は実現した
しかし県民の平和への願いは叶えられず
日米国家権力の恣意のまま 軍事強化に逆用された
 しかるが故に この碑は
 喜びを表明するためにあるのでもなく
 まして勝利を記念するためにあるのでもない
闘いをふり返り 大衆が信じ合い
自らの力を確かめ合い 決意を新たにし合うためにこそあり
 人類の永遠に存在し
 生きとし生けるものが 自然の摂理の下に
 行きながらえ得るために 警鐘を鳴らさんとしてある

沖縄の戦争は終わっていないのか?私たちは本州で生活しているので平和だと思い込んでいる。でも、沖縄の方々にとっての本当の平和はまだまだなのか・・・。浅い歴史観しかない私にとって、強烈に心(ここは敢えて漢字を使います)に刺さった碑文でした。

有給休暇をとって仕事を休んで日帰りで与論島を見に行く。贅沢な旅に感じますが、格安で行けるし、何事もなかったように翌日に仕事に行ける。その土地に行かなければ感じれなかった価値観に触れることができる。これが「ふらっと旅」の醍醐味。1泊してしまうと普通の旅行になってしまうんですよね。だから私にとって普通じゃないこういう旅が日常を忘れられる、ココロに栄養を与えられる大切な時間なんです。

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