2020 飛行機恐怖症のSFC修行 vol.9【ANA NH816便プレミアムエコノミー】パニック症状

SFC修行

今からクアラルンプール⇒成田、6時間40分も飛行機に乗ると思うだけで、気持ちが落ち着かなくなってきました。機内ではずっと座っていることになるので、「今のうちに動いておかなくては」と思い、楽しみにしていた「GOLDEN LOUNGE SATELLITE」を早めに出て空港内を歩き回っていました。NH816便は8:00出発で7:30が搭乗開始時刻、現在7:00。C22ゲート前で最終の荷物検査等をしてガラス張りの専用待合室のようなブースで搭乗まで時間を過ごすことになります。

これから私を6時間40分間も閉じ込めるANA NH816便です。周りの目もあるので平静を装ってますが、パニック症状がどんどん膨らんできて、じっとしていられなくなります。思えば、台北⇒クアラルンプールを座席の広いビジネスクラスで、しかも今回より短い 4時間55分の飛行でも最後は症状が出始めていました・・・。そう考えるとプレミアムエコノミーで座席も狭くなる、そして搭乗時間も約2時間長くなる、パニック症状が出ないはずがありません。脳が覚えているんです、「こういう場合にこういう症状が出る」という心身相関ルートを。今回は完全にそのルートに乗っかってしまいました。冷や汗も止まらなくなってきて、自分から気絶したくなるくらいでした。係員に「体調が悪いので明日の便に変えて頂けませんか」と搭乗キャンセルをお願いしようかとも思いましたが、明日になったとしてもまた同じことの繰り返しになるのは目に見えています。それなら、ここをなんとか乗り切って自信に変えた方が得策だと自分に言い聞かせます。落ち着きが全くないのが自分でもわかります。使いたくなかったのですが、ギリギリの状態だったので精神安定剤を飲みました。

本当は1錠なのですが、2錠飲みました。早く効いてくれ~!!! とうとう搭乗開始時刻になりました。不安で潰されそうになりながら、ボーディングブリッジを歩きます。

そこに私にとって神様のような大学生3人が現れました。たまたま私の前を歩いていた真面目そうで、しかし決して頭が良いとは言えなさそうな学生3人組が「しりとりせぇへんか?」「ええで、ほな、せっかくやから国名でやろ」と会話し始めました。私は地理が得意なので、気晴らしに仲間に入れてもらおうかと思いましたが、まずはお手並み拝見、しりとりの成り行きを見守ることにしました。「じゃあ俺から行くわ、アメリカ!」、2人目「カナダ!」、3人目しばらく考えて「・・・あかん、〈ダ〉はないで」。私も後ろで考えます。〈ダ〉から始まる国・・・無い・・・。1人目が「〈ダ〉がなかったら〈タ〉でもええで」とありがちな救済措置。私は後ろで「ある、あるよ!タイ!」と思っていました。すると3人目は見つかったのが嬉しかったのでしょう、間髪入れずに「タイワン」と答えてしまいました。「・・・ ・・・」沈黙が続きます。えっ、これって最後に〈ン〉がついたの気づかずに次の国名探してるの?というくらいの長い沈黙、そして嫌な空気・・・。それが面白くて可笑しくて恐怖感がかなり解消されました。ありがとう!!ズッコケ3人組!! 笑いとしては最高のネタと間でした。

NH816便の機材は B787-9 座席はプレミアムエコノミーの 16D です。ここです↓↓

シートはこんな感じ。当たり前ですがエコノミーより座り心地は良さそうです。

席に着いたら機内の安全確認の映像が個人モニターから流れるんですが、これがなかなかユーモアがあって面白い。日本ならではの機内安全ビデオでした。

これなら楽しくて面白いので、皆さん嫌でも見るでしょうね。さっきのズッコケ3人組のお陰もあり、この頃には不安感や恐怖感はほとんどなくなっていました。日本人のCAさんなので会話にストレスを感じなくていいのも本当に気が楽です。やはり日本の航空会社は安心です。海外の飛行機をさらっと乗りこなせるのはカッコいいですが、やはり私はまだまだ日本人でした。笑 離陸して安定飛行に入った頃に機内食(朝食)のメニューを持ってきてくれました。

左上に「Feb」と書いてあるところを見ると月によってメニューが変わるようです。私は “Aの鶏味噌掛け” にしました。飲み物はシャンパンをお願いしました。

機内食なのでレストランほど美味しいはずはないのですが、空港内ラウンジで食事を済まして機内食をキャンセルされる方が多いというのが分かる気がします。

食後は個人モニターで「アメトーーク!」や「世界の果てまでイッテQ!」などのバラエティーを見て笑うことに専念。薬の効果もあるのか凄く落ち着いて過ごせました。後半は TBS 日曜劇場「ノーサイド・ゲーム」を4話まで一気に見ました。行きのエバー航空のように「グランメゾン東京」が4話までしかない・・・というような中途半端なことはなく、全編見ようと思えば見れそうな感じでした。5話が気になりますが、次回のSFC修行Ⅱのために残しておきます。

到着前には軽食が出ます。今回の修行では3フライト目ですが、一番美味しかったのがこれです。

パンにチーズとハムが挟んであるだけですが、何とも味わい深い落ち着く味でした。笑 お替わりしたいくらいでしたから。

着陸態勢に入り、いよいよ成田に到着です。無事に日本に帰って来れたという安心感とパニック症状が機内で出ずによかったという安堵感でいっぱいでした。ボーディングブリッジを使わない沖止めでした。

バスで移動します。

29Bに到着して入国審査に向かいます。

入国審査も無事に終わり検疫で隔離されることもなく、日本に戻れました。あと数時間後には沖縄に向けて出発です。早く那覇のホテルで横になりたい・・・。

今回のフライトで勉強になったことがあります。それは意外と真ん中のブロック、3人掛け座席の端、今回の 16D は安心感が得られるということ。いつもは窓側を指定して、景色を見て閉所恐怖症の不安を乗り切ることを考えていました。でも閉所という観点で言えば、窓側は通路側に他の乗客が座ってしまうと完全に閉所になってしまうのでベストではないと前々から思っていました。今回の 16D は外の景色は見えませんが、通路に少し足を出せるのでスペースが広くなります。そして真ん中のブロック3人掛けの中央座席を自ら指定する人はまずいないだろうということです。これで隣が空席になる可能性が一番高いのが D と G の列だという推測ができます。もし中央の F の座席に他の乗客が座ることになったとしても、私とは反対の G 側の通路に出てくれることも考えられます。つまり、もし満席になった場合、一番他人に気を遣わずに気楽に座れる座席はNH816便 B787-9の場合 16D、16G ということになります(15列目は前が壁で圧迫感があるので閉所恐怖症の方には辛い)。何か数学的な考えになってしまいました・・・。笑 

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